オススメ小説について語る【ぼくのメジャースプーン/辻村深月】
どうも、くぼじゅんです。
今日は辻村深月さんの『ぼくのメジャースプーン』について語っていきます。
『ぼくのメジャースプーン』/辻村深月
●あらすじ
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった―。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に一度だけ。これはぼくの闘いだ。
主人公は小学生の男の子です。
少年の通う学校で起きた事件のせいで、幼馴染の女の子「ふみちゃん」はショックで話せなくなってしまいました。
ふみちゃんを救うため、事件の犯人に復讐するため、少年は与えられた力の使い道を
考えるのです。
この少年は普通の少年ではありません。
人にはない特殊能力を持っています。どんな能力かはネタバレになってしまうので、ここでは書きません。
コンセプト的には以前紹介した辻村深月さんの著書『ツナグ』に似ています。
『ツナグ』では亡くなった人に一度だけ再会できる能力が出てきましたね。
そんな感じです。
日常の中にスプーン一杯分の非日常を溶かしているようなお話です。
この作品の読みどころは、事件の犯人という「悪」に対し、特殊な能力を使って少年がどんな復讐を決断するかです。
能力を使った数多くの選択肢の中から、少年が選んだ犯人にとって最も残酷な決断とは…。
森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』でも書きましたが、小説に出てくる小学生ってものすごく賢いですよね。
今回の主人公の少年も、例に漏れず大人びていて賢いです。
読み終わるころには、もし自分に少年のような特殊能力があったら…と考えていることでしょう。
それでは、今日はここまで。
またお会いしましょう。