オススメ小説について語る【何者/朝井リョウ】
どうも、くぼじゅんです。
今日は朝井リョウさんの『何者』について語っていきます。
『何者』/朝井リョウ
●あらすじ
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。
「就活」がテーマの作品です。
就活をする5人の大学生の心情が鮮明に書かれていて、就活に対するプレッシャーや
個々のプライドの高さがひしひしと伝わってきました。
就活の筆記試験や面接、ES(エントリーシート)を書いている様子など、とてもリアルに表現されています。
この本一番の読みどころは、なんといってもラスト30ページです。
ネタバレはしたくないのですが、僕はこのラスト30ページを読んだ後、全てが繋がり
鳥肌が立ちました。
情報に溢れた現代だからこそ見えてしまう、人間の嫌な感情。
5人の立場や感情が交錯し、移り変わっていく彼らの関係からは目が離せません!
僕は就活が終わった後にこの作品を読みましたが、共感できることが多かったです。
ある意味、人生がかかっている重要な時期です。焦る気持ちはよく分かりました。
ただ、就活を終えてから考えるとあの光景って少し不気味ですよね。
みんな同じようなスーツを着て、髪をバッチリキメて、ニコニコしてる姿が不気味です。
毎年就活が解禁されると、ビックサイトなどで行う合同企業説明会の様子がテレビで放送されます。
没個性的な格好で採用担当者に必死に質問していく姿は、正直怖いです。
しかし、僕も同じようなことをしていました。
何とか自分のことを覚えてもらうために、大学の部活で作った名刺を、会社の方に渡していました。
今考えると何の意味もないような行動を、あの時はしていました。
「内定」という安心を得るために、人は変わってしまうのかもしれません…。
とても読みやすい文体で、内容がスラスラと頭に入ってきます。
読書初心者にはオススメの一冊です。
就活を控えた大学生にも、もちろんオススメです!
それでは、今日はここまで。
またお会いしましょう。